クリスマスに奮発して買ったおもちゃ。
開けた瞬間は大喜びだったのに、3日後には見向きもされない。かわりに子どもたちが熱中していたのは、荷物が届いたときの大きな段ボール箱でした。
「なにこれ?」「お家にする!」「ロケットにしよう!」
ハサミとテープを持ち出して、気づいたら2時間。夕飯も忘れて工作してる。
思わず笑ってしまいましたが、同時に「あ、これだな」とも思いました。
子どもが本当に熱中できるのは、「答えのないもの」だったんです。
- ✓高いおもちゃを買ったけど、すぐ飽きてしまう
- ✓テレビやYouTubeばかり見ていて、手を動かして遊んでくれない
- ✓工作させたいけど、散らかるのが嫌でついつい止めてしまう
今日は、3人の娘(中学生・小学生)を育ててきた私が気づいた「想像力が育つおもちゃと環境」の話をします。
「せっかく買ったのに飽きるのが早い」。これはうちだけじゃなく、多くのお母さんが感じていることです。
実はこれ、おもちゃの「作り」に理由があります。
流行りのおもちゃの多くは、遊び方があらかじめ決まっています。ボタンを押したら音が出る。決まったルールで動かす。作り方の通りに組み立てる。
これ自体は悪いことじゃありません。でも、「正解がある遊び」は、正解にたどり着いたら終わりなんです。
一方、段ボールや折り紙には「正解」がない。何を作るか、どう作るかは全部子ども次第。だから飽きないし、どんどん発展する。
段ボールを渡されたとき、子どもの頭の中では「これで何ができる?」という問いが生まれます。
家?車?宇宙船?剣?
この「問いを立てる力」こそが、想像力の正体です。既成のおもちゃはこの問いをスキップしてしまう。だから、素材から始める遊びは思考の筋トレになります。
「何に使うか決まっていない素材」が、子どもの思考力を育てます。
折り紙を折り間違えた。段ボールの切り方がずれた。
でも、それが学びになります。「じゃあこっちに折ったら?」「切り口を変えたら?」と試行錯誤するプロセスが、「うまくいかなくても考え続ける力」を育てます。
うちの娘が5年生のとき、段ボールでお城を作ろうとして何度も崩れて。泣きそうになりながらも諦めなかった。あのときの顔、今でも覚えています。完成したお城は正直ちょっとゆがんでたけど(笑)、それよりあの「諦めない2時間」の方がずっと大事だったと思います。
自分で作ったものには、特別な愛着が生まれます。
「私が作った」という体験の積み重ねが、「自分はできる」という自己肯定感につながります。これはおもちゃを買い与えるだけでは得られないものです。
折り紙で作ったカエル、段ボールで作った基地。子ども自身が「すごいでしょ!」と誇らしそうに見せてくれるとき、それは単なる工作じゃなく、自信の芽吹きだと私は思っています。
やる気は大事。でも、環境が整っていないとやる気は続きません。
「工作したい!」と思ったときに、すぐ始められる場所がある。それだけで、子どもの創造力は全然変わります。
大がかりじゃなくていいです。リビングの一角でも、押し入れの下の段でも。
大切なのは「ここは工作していい場所」という子ども自身のスペースがあること。
うちでは、リビング横の和室に大きなシートを部屋いっぱいに敷いて、工作専用の場所にしています。ハサミ、セロテープ、マスキングテープ、クレヨン、折り紙、空き箱……道具も全部そこに集めました。
置いておくだけで、子どもたちが勝手に工作を始めるようになりました。「退屈〜」という言葉が、格段に減った気がします。
これ、すごく大事です。
「汚さないで」「ここでやらないで」という声がけが増えると、子どもは工作をする前に「お母さんに怒られるかも」と躊躇するようになります。
創造力の大敵は、「失敗したら怒られる」という恐怖です。
うちでは和室にシートを敷いているので、のりが床についても、絵の具がはねても、ここは大丈夫。「この部屋なら何してもOK」と子どもたちに伝えています。そう決めるだけで、親も子もずいぶん楽になりました。
工作スペースを作って気づいたことがあります。
最初は段ボールや折り紙でよかったのに、子どもの「作りたい!」という気持ちは、どんどん大きくなっていくんです。
3人とも変化を感じています。和室の工作スペースを使いはじめてから、それぞれが自分からどんどん材料を調べて欲しがるようになりました。
特に今、子どもたちがハマっているのはこんなものです。
- 1ボンボンドロップシール――今SNSで大流行中!プニプニした質感のシールを自分でデザインして手作り。友達にプレゼントする用も作っています。
- 2キーホルダー――レジンや紐を使ってオリジナルデザインを制作。自分のカバンに付けたり、推しのイメージカラーで作ったり。
- 3メルジョイ(スクイズの自作版)――スクイズのようなモチモチした触感のおもちゃを自分で手作り。材料を選ぶところから楽しんでいます。
中3といえば、受験も視野に入る時期。でも、工作に夢中になっている姿を見て、私は止める気になれませんでした。
「材料費がかかるじゃない?」と思う方もいるかもしれません。でも、安心してください。材料のほとんどは100均で揃います。ボンボンドロップシールもキーホルダーの素材もメルジョイの材料も、全部ダイソーやセリアで手に入るものばかり。コストはほとんどかかりません。
それより大切なのは、自分で調べて、考えて、作り上げる体験です。塾の勉強では得られないものがそこにあります。
しかも、友達にプレゼントするためにデザインを工夫したり、「同じ材料でもどのお店が安いかな」と比較したり。気づけば、お金の使い方や計画力まで自然に身についています。
そして気づけば、「作る楽しさ」は工作だけに留まらなくなっていました。
最近では、料理にも興味を持ち始めています。「これ自分で作れるかな」「材料何が要るんやろ」と、自分から調べてキッチンに立つことが増えました。
工作で身についた「試してみる」「失敗してもやり直す」という感覚が、料理にもそのまま活きているんだと思います。手を動かして何かを作る体験は、どんな場面でもつながっていくんですね。
- 1段ボール箱を1つ「工作用」に残しておく
次に荷物が届いたら、箱を捨てずに子どもに渡してみてください。「これで何か作ってみて」のひとことだけ。あとは干渉しない。 - 2「工作グッズ入れ」を1つ用意する
100均のカゴでOKです。折り紙・セロテープ・ハサミ・マスキングテープを入れて、子どもが取り出しやすい場所に置く。それだけで「工作したい気持ち」が行動につながりやすくなります。 - 3汚れてもいい場所を「決める」
「ここなら汚してもいい」と宣言するだけで大丈夫。和室でも、庭でも、古いシートを敷いた一角でも。「安心して失敗できる場所」が、子どもを大胆にします。
- 流行りのおもちゃは「正解がある遊び」→ 正解に達したら終わり
- 段ボール・折り紙は「正解がない素材」→ 想像力・創造力がフル回転
- 工作スペース(和室などシートを敷いた場所)を作ると子どもが自発的に動く
- 「汚れていい場所」の確保が、子どもの挑戦する心を育てる
流行りのおもちゃが悪いわけじゃありません。でも、子どもの想像力・好奇心・自己肯定感を育てるのは、「答えのない素材」と「失敗してもいい環境」です。
段ボールも、折り紙も、新聞紙も、全部タダ同然。でも、子どもにとってはどんな高級おもちゃより豊かな「素材」になりえます。
親が工作スペースを作ってあげること、「汚れていい場所」を確保してあげること。これは立派な子どもへの自己投資だと私は思っています。
今日、家にある段ボール箱を一つ、子どもに渡してみませんか?お金をかけなくても、子どもの目が輝く瞬間は作れます。

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