「もっと頑張らなきゃ。」
介護をしているご家族から、この言葉を何度聞いたか分かりません。
仕事をして、家事をして、親の介護もする。自分の時間なんてほとんどないのに、「まだ私が頑張れば何とかなる」と、自分を追い込んでしまう方が本当に多くいました。
でも、16年以上介護の現場で働き、ケアマネジャーとしてたくさんのご家族と関わる中で、私が何度も感じたことがあります。
頑張りすぎる介護ほど、長続きしません。
そして皮肉なことに、良かれと思ってしたことが、ご本人の力まで奪ってしまうこともあるのです。
今日は、私が現場で学んだ「介護で本当に大切だったこと」をお伝えしたいと思います。
おはようございます。うたです。中3・中1・小3の三姉妹を育てています。
あるご家族は、毎月ショートステイを利用していました。
理由を聞くと、「その日は私が友達とランチに行く日なんです。」と笑って話してくださいました。
一方で、「まだ大丈夫です。」「私がやれば済むので。」と介護サービスを最小限しか利用しなかったご家族が、体調を崩してしまったケースも少なくありません。
介護は短距離走ではありません。何年も続くマラソンです。
だからこそ、休むことは甘えではなく、介護を続けるための仕事。私はそう考えています。
週に1回でもいい。美容室へ行く日。買い物へ行く日。ゆっくりコーヒーを飲む日。そんな「自分の予定」を、介護と同じくらい大切にしてください。
ご家族は、「昔はできたのに。」という気持ちを抱えてしまいます。その気持ちは、とても自然なことです。
でも、その期待が大きくなりすぎると、本人も苦しくなります。
私が担当した利用者さんでも、「今日は自分で薬を飲めた。」「デイサービスへ行く準備ができた。」そんな小さな成功を一緒に喜べるご家族ほど、穏やかな時間を過ごされていました。
介護は、「失ったこと」ではなく、「まだできること」を見つける仕事でもあります。
介護をしていると、「もっとお金があれば何とかなる。」と思うことがあります。
もちろん、介護サービスを利用するためにお金は大切です。でも、現場ではお金だけでは解決できない悩みもたくさん見てきました。
例えば、
- 「これで本当に良かったのかな」という家族の不安
- 本人が「誰かの役に立っている」と感じられる時間
- 家族だからこその葛藤や罪悪感
- 介護する人の心の余裕
これらは、お金では買えません。
むしろ、すべてを人任せにしたり、反対に家族だけで抱え込んだりすると、ご本人の生活の張りや役割が失われてしまうこともあります。
介護サービスは「全部やってもらうため」ではなく、本人らしい生活を支えるために使うもの。その視点を忘れないことが、とても大切だと感じています。
介護を始めると、転ばないように。失敗しないように。疲れないように。と、つい全部手伝いたくなります。
でも、介護の現場では、「できることまで奪わないこと」をとても大切にしていました。
例えば、洗濯物を畳む。新聞を取りに行く。花に水をあげる。食器を運ぶ。そんな小さな役割があるだけで、人は「まだ自分にもできることがある」と感じられます。
全部やってしまうより、少しだけ「お願いする」。そのほうが、ご本人の笑顔につながることが多かったように思います。
介護は、「家族だから頑張らなきゃ」と思いやすいものです。でも、一人で抱え込む必要はありません。
ケアマネジャー。訪問介護。デイサービス。地域包括支援センター。介護保険には、「家族を支える仕組み」もたくさんあります。
私はケアマネとして、「もっと早く相談すればよかった。」という言葉を、本当に何度も聞いてきました。
相談することは、弱さではありません。家族みんなが笑顔で暮らし続けるための、大切な選択です。
今、このブログを読んでくださっている方の中には、子育て真っ最中の方も多いと思います。
「介護なんて、まだ先の話。」そう思われるかもしれません。でも、親も私たちも、少しずつ年齢を重ねていきます。
子育てと介護は違うようで、実は共通していることがあります。それは、「一人で頑張りすぎないこと」。
家族を大切にしたいからこそ、まずは自分自身を大切にする。休むこと。頼ること。任せること。それは決して手抜きではなく、大切な人を長く支えるための力です。
介護の現場で私が何度も教えてもらったことを、今日は少しだけお伝えしました。
もし今、介護に悩んでいる方がいたら、今日だけは、自分のための時間を30分だけでも予約してみてください。
その30分が、明日も笑顔で家族と向き合うための、大切な一歩になるかもしれません。

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