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「うちの子の学校、公衆電話が1日2回までなんよ」
職場で、そう聞きました。
同じころ、うちの娘は学校から配られたChromebookを開いて、宿題の調べものをしていました。
おはようございます。うたです。中3・中1・小3の娘3人を育てています。
今日は、同じ年ごろの子どもたちの、育つ環境がここまで違うという話です。
まず、うちの場合:娘の学校にはChromebookが1人1台ある
うちの娘たちの学校は、携帯電話の持参は禁止です。
でも、Chromebookが1人1台配られています。授業でも使うし、家に持ち帰ることもあります。
そしてわが家は、それとは別に、娘たちに一人ずつパソコンを用意しています。
学校の端末は、あくまで学校のものです。できることも決まっています。自由に触って、壊して、調べて、失敗できる道具が、別に要ると思いました。
娘が何かを知りたいとき、どうしているか聞いてみました。
検索する。それから、周りの人に聞く。
特別なことはしていません。でも、調べる道具が手元にあって、調べるという習慣がある。
当たり前だと思っていました。少なくとも、あの話を聞くまでは。
1台14万円。渡してみて分かった3つのこと
①長女と次女は新品、三女は私のお下がり
正直に金額を書いておきます。
長女と次女には、中学生になったタイミングで新品を買いました。1台14万〜15万円です。
三女には、私が使っていたパソコンをお下がりで渡しました。全部を新品でそろえたわけではありません。
安い買い物ではありませんでした。それでも「中学生になったら渡す」と、あらかじめ決めていました。
スマホの本体代を半額だけ自分で出してもらうのも、お小遣いの額が学年で変わるのも、わが家はこういう区切りで決めています。そのときが来たら渡す。悩んでいる時間をなくしたかっただけかもしれません。
②渡してみたら、やっぱりゲームばかりだった
では、実際に何に使っているのか。きれいごとを抜きにして並べます。
調べもの(ChatGPT、Google、YouTube)。無料ゲーム。タイピングのゲーム。
……はい、ゲームもしています(笑)
与えれば勉強に使うだろう、なんて思っていません。実際そうはなりませんでした。
③想定していなかった、2つの使い方
ただ、想定していなかった使い方が2つ出てきました。
AIに、テスト問題を作らせている。
AIに、工作のアイデアを出させている。
どちらも、私が教えたことではありません。
問題集を買ってきて解かせるのが勉強だと思っていた私からすると、自分で問題を作らせるという発想は出てきませんでした。工作のほうも、次女が段ボールで何時間も遊んでいたのを知っているので、あの子らしいなと思いました。
道具を渡して、ゲームもさせて、そのうえで残ったものが、これでした。
問題の本質:職場で聞いた、公衆電話が1日2回の学校
職場の方から、お子さんの学校の話を聞きました。
学校にパソコンがない。携帯電話は禁止。寮でも禁止。
外と連絡を取る手段は、公衆電話が1日2回。
それだけです。
誤解のないように書いておきたいのですが、私はこの学校を「遅れている」と言いたいわけではありません。
寮生活で、勉強に集中させて、生活のリズムを守る。方針としてそうしているのだと思います。実際、そのおかげで身につくものは、きっとあります。
それに、家庭も本人も、納得してその学校を選んでいるはずです。よその家の選択に、私が点数をつける筋合いはありません。
ただ、同じ年に生まれた子の出発点が、ここまで違うという事実には、しばらく言葉が出ませんでした。
子どもが出ていく先は、とっくにPDFとAIになっている
もうひとつ、気になったことがあります。
私が働いている大学の職場は、1人1台パソコンがあります。書類はほとんどPDFで添付して提出します。紙で持っていくことは、ほとんどありません。
そして今、AIを使って業務を効率化していく流れの中にいます。
私は50歳が近いので、正直、必死に覚えている側です。
でも、これが今の職場です。
子どもたちが出ていくのは、ここなんですよね。
「書類をPDFで出せて当たり前」の場所だった。
もし卒業してすぐ就職して、その職場が合わなくて、転職することになったら。そのとき、はじめてパソコンに触れることになるのだとしたら。
それを想像すると、私は不安になります。
解決のヒント:禁止して守るのか、そばにいるうちに失敗させるのか
ここからは、私の考えです。
携帯もAIも、危ないところはあります。使い方を間違えれば、人を傷つけるし、自分も傷つく。だから禁止する。気持ちは、すごく分かります。
でも私は、大人がそばにいるうちに使わせたほうがいいと思っています。
失敗するからです。必ず失敗します。
その失敗が、親や先生の目の届く範囲で起きるのか、誰も助けてくれない場所で起きるのか。同じ失敗でも、意味がまったく違います。
大きく失敗しないための練習になる。
実はこれ、前にも同じことを考えたことがあります。小3の三女が、こっそりガスを使って揚げ物をしていたときです。
怒っても、また繰り返しました。それで、禁止するのをやめて、一緒にルールを作ることにしたんです。あの子はいつかガスを使う日が来るし、私が毎食ついていられる日は、そんなに長くないと思ったからでした。
ガスも、携帯も、AIも、たぶん同じです。
いつか必ず使う日が来る。だったら、そばにいるうちに。
これは勉強の話じゃなく、家事の話でもある
そう考えていて、もうひとつ思い当たったことがあります。
親が身の回りのことをやりすぎると、子どもはそれが当たり前になります。
洗濯物がたたまれているのも、ごはんが出てくるのも、上履きが洗われているのも、全部誰かがやっているのに、やってもらっていることに気づかない。
そのまま大人になって職場に出ると、周りの人がやってくれたことに気づけないのではないか、と思うことがあります。気づけなければ、ありがとうも言えません。
これ、学校が全部禁止して守るのと、構造が同じなんですよね。
守られている間は、安全です。安全なんだけど、守りが外れた日に、手元に何も残っていない。
私は、洗濯も食事も完璧にはできていません。むしろ手が回っていないだけなんですけど、それでいいことにしています(笑)
まとめ:道具があることと、使いこなせることは違う
ただ、ここで安心してはいけないと思っていることがあります。
うちの娘には携帯電話・PCがあります。検索もします。
でも、「検索できること」と「必要なものにたどり着けること」は、別なんですよね。
最初に出てきた記事をそのまま信じていないか。誰が書いたかを見ているか。違う意見も探しているか。
正直、そこまでは分かりません。道具が配られただけで、使い方は誰も教えてくれないのかもしれない。
AIについても、以前に娘の学校の先生の言葉をきっかけに考えたことがあります。
何も考えないままAIに聞けば、返ってくるのは、誰が聞いても同じような答えです。でも「これは納得いかない」と自分で先に思っていれば、AIは調べものを手伝ってくれる相棒になる。
使うか使わないかより、自分の考えが先にあるかどうか。そっちのほうが大事なんじゃないか、と思っています。
子ども向けに書かれた本も出ています。私が読んだ中では、『ぼくたちはChatGPTをどう使うか』(東大カルぺ・ディエム/西岡壱誠・三笠書房)と、『10歳からの生成AIとの付き合い方』(田中博之ほか・日本能率協会マネジメントセンター)が、親も一緒に読める内容でした。
禁止するかどうかを決める前に、親のほうが少し知っておく。それくらいでいいのだと思っています。
公衆電話が1日2回。あの話を聞いてから、ずっと考えています。
あの子が悪いわけでも、その学校が悪いわけでもありません。ただ、生まれた場所と選んだ学校で、こんなに差がついてしまうことがある。
ここまで書いておいて、ずるいなと思うことがあります。
うちに道具があるのは、たまたまではありません。学校のChromebookとは別に、家でも一人ずつパソコンを用意しました。私がそう決めて、お金を使ったからです。
だからこの話は、余裕のある家の話だと言われたら、返す言葉がありません。
それでも書いておきたかったのは、私がその出費を「必要な教育費」だと思って選んだからです。参考書でも習い事でもなく、ここに使うと決めました。
何にお金を使うかは、家庭ごとに違っていいと思っています。ただ、決めているのは親です。子どもではありません。
だからせめて、用意した道具を使えるようにしてやりたい。失敗しても、まだ私が隣にいるうちに。
あなたのお子さんは、PCや携帯電話を活用して、情報やAIを使える環境にいますか?
- 同じ年ごろでも、学校によって触れられる道具がまるで違う
- 小さく失敗させておくことが、大きく失敗しないための練習になる
- 守られている間は安全。でも守りが外れた日に、何が残っているか
- うちに道具があるのは偶然ではなく、私が決めてお金を使った結果だった

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