高校の体験入学に、中3の娘の付き添いで行ってきました。
前のめりになっていたのは、娘ではなく私のほうでした。
おはようございます。うたです。中3・中1・小3の娘3人を育てています。
私立は、考えていませんでした
長女は今、中3。商業高校を目指しています。
公立でも私立でも、本人が「ここでがんばりたい」と思える高校ならそれでいい。私はそう思っています。ただ、私立に実際どれだけお金がかかるのか、不安がないと言えば嘘になります。
だから正直、私立は選択肢に入れていませんでした。
ところが2026年4月から、高校の授業料の支援が広がって、所得制限もなくなると聞きました。
それなら、見るだけ見てみようか。そのくらいの気持ちで出かけました。
同じ商業科でも、学校の空気は違いました
この夏、いくつかの高校を見に行きました。
そこで最初に驚いたのが、これです。
同じ「商業科」でも、学校によって空気がまるで違う。
行く前は、正直こう思っていました。商業科なんて、どこも似たようなものだろう。簿記があって、パソコンがあって、資格を取る。同じでしょう、と。
全然ちがいました。
何がちがうかというと、パンフレットに書いてあることではありません。
私が見ていたもの
校長先生が、どんな言葉で学校を語るか。
先生たちが、生徒にどう接しているか。
そして——在校生の表情。
生徒の顔って、正直です。
やらされている顔なのか、面白がっている顔なのか。並んで説明を聞いているだけでも、伝わってくるものがありました。
数字では絶対に出てこない部分です。行かないと分かりません。
学校の話に、母のほうが前のめりになりました
ある学校で聞いた話に、私はすっかり引き込まれてしまいました。
説明会で聞いたこと
デジタルやメタバースを、教室の学びの中に入れていく。
企業と組んで、生徒が実際に起業や商品づくりを体験する。
校則を、生徒自身が考えて決める。
そして、いちばん刺さったのがこれです。
必要なのは偏差値や受験対策ではなく、自分で考えて行動する力。ルールを変えるような子を育てたい。
私、たぶん口が半開きになっていたと思います(笑)
なぜそんなに刺さったのか、帰りの車の中でずっと考えていました。
たぶん、私が家でやろうとしてきたことと、同じことを言っていたからです。
答えを教えすぎない。すぐに口を出さない。待つ。子どもが自分で調べられる環境を用意する。——長女に対して、私が下手なりに続けてきたことでした。
家でこっそりやっていることを、学校が堂々とやろうとしている。そう思ったら、うれしくなってしまったんです。
「何をするか」より「それで何が身につくか」
いくつか回るうちに、私の見方が変わっていきました。
どの学校のパンフレットにも、活動はたくさん書いてあります。
職場体験が豊富です。行事が充実しています。設備が新しいです。
読んでいると、どれも良さそうに見えるんです。
でも、途中でひとつ引っかかりました。
それをやると、うちの子には何が身につくんだろう。
「何をするか」は、どこにでも書いてあります。でも「それを通して、どんな力がつくのか」は、書いていないことが多い。
説明を聞いていて、そこがはっきり見える学校と、ぼんやりしたまま終わる学校がありました。
学科によって、生徒の発表の作り込みに差があるのも感じました。
これはもう、良い悪いの話ではなくて、その学校が何に力を入れているかが出るところなんだと思います。
もし今から体験入学に行かれるなら、この質問を持っていくといいかもしれません。
この活動をすると、卒業するころには、どんなことができるようになっていますか。
近いほうがいい、と思っていました
正直に書きます。行く前の私の頭には、通学の便がかなり大きく居座っていました。
近ければ朝がラク。交通費も安い。3年間のことだから、無理のない距離がいい。
いまでもその考えは間違っていないと思っています。毎日のことですから。
ただ、いくつか見て回ったあと、順番が変わりました。
近くても学びが漠然としているなら、遠くてもやりがいを感じる学校のほうがいい。
3年間、毎日通う場所です。通学が20分短いことより、「ここで何かをつかんだ」と思って卒業できることのほうが、あとに残る気がしました。
もちろん、家庭によって事情は違います。うちも最終的にどうなるかは、まだ分かりません。
ただ、「近いから」を第一の理由にするのは、やめようと思いました。
普通科と専門学科、両方を見てよかった
もうひとつ、行ってみて分かったことがあります。
体験入学は、普通科と、専門性のある学科の両方を体験してみるのがいい、ということです。
片方だけ見ても、それが自分に合っているのかどうかは分かりません。比べて初めて、「あ、こっちのほうがしっくりくる」が出てきます。
商業科志望だから商業科だけ、ではもったいなかったと思います。
逆に、まだ何も決まっていないお子さんこそ、両方見ておくと選びやすくなるはずです。
お金の話も、正直に書いておきます
ここは大事なところなので、はっきり書きます。
2026年4月から支援が広がったのは、授業料の部分だけです。
支援されないもの
入学金
施設整備費
制服代
教材費・タブレット代
修学旅行の積立
通学の交通費
これらは今までどおり、そのまま家計から出ていきます。しかも私立は、ここが公立より重いことが多い。
気になったので、数字も調べてみました。文部科学省が令和6年度に出した、私立高校(全日制)の初年度納付金の全国平均です。
私立高校の初年度納付金(全国平均・令和6年度)
授業料 457,331円
入学料 165,898円
施設整備費等 157,232円
合計 780,460円
ここで、支援の上限額をもう一度見てみます。年額 45万7,200円。
授業料の全国平均が、45万7,331円。
……ほとんど同じ額です。
つまり平均的な私立高校なら、授業料はほぼまかなわれる計算になります。ここは本当に大きい。
でも、そのあとが問題でした。
残りの約32万円は、そのまま家計から出ていきます。
入学料と施設整備費だけで、この金額です。ここに制服代、教材費、通学の交通費が乗ってきます。
「無償化になったから私立でも大丈夫」とは、簡単には言えません。
では、公立とはどれくらい違うのか。
いちばん差が出るのが、入学のときに納めるお金でした。
入学料のちがい
公立(福岡県) 5,550円
私立(全国平均) 165,898円
30倍です。ここは、無償化とは関係なく残ります。
3年間の総額でいうと、公立が約178万円、私立が約352万円という調査もあります(文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度/塾代なども含めた全国平均)。
ただしこれは無償化が広がる前の数字なので、これからは差が縮みます。
それでも、入学料と施設整備費の約32万円は残ります。ここを見ておかないと、あとで慌てることになりそうです。
それと、調べていて「知らないと損だな」と思った制度がひとつありました。
授業料以外の費用を支援する「高校生等奨学給付金」というものがあって、2026年度から対象が広がり、年収の目安で約490万円までの世帯が入るようになったそうです。教科書代・制服代・修学旅行費・通学用品などに使えます(入学金は対象外)。
自治体によって上乗せがある場合もあるようなので、学校か市の窓口で聞いてみるつもりです。
ただ、それでも変わったことがあります。
これまでは、学費で最初から候補から外していた学校を、見に行ってみようと思えるようになったこと。選択肢のドアが、一枚開いた感じです。
開いたドアの先で、行くかどうかを決めるのは、また別の話です。
娘のほうが、はっきり見ていました
肝心の娘はというと、帰ってから、こう言いました。
「普通科は、やっぱり楽しくなさそう」
理由を聞いて、私は少し驚きました。
説明で並んでいたのは、卒業生が進学した大学の名前と、就職した会社の名前。
実績としては立派です。
でも娘には、それを見ても分からなかったそうです。
将来、自分がどんなふうになれるのかが、想像できない
……さっき私が書いたことと、同じでした。
「何をするか」ではなく「それで、何が身につくのか」。私が資料を読みながら引っかかっていたことを、娘は自分の言葉で言っていたんです。
教えたわけではありません。同じ場所に立って、同じものを見て、それぞれに引っかかった。それだけです。
娘も、娘なりに一生懸命感じて、考えていたんだなと思いました。
だからもう、こちらから「あそこがいいんじゃない?」とは言わないでおこうと思います。
選ぶのは、私ではないので。
7月に、この夏は体験入学に行こうと決めたとき、私はこう書いていました。「どこを受けるかを偏差値表の上で決めるのではなく、娘自身の目で見て決めてほしいから」と。
いま、まさにその途中にいます。
行ってよかったです。少なくとも私は、偏差値表を見ていただけでは絶対に知り得なかったことを、いくつも持って帰ってきました。
これから体験入学に行かれる方。ぜひ、生徒さんの表情を見てきてください。
みなさんは、学校を選ぶとき、何をいちばん大事にしていますか。
※この記事の金額は、文部科学省「令和6年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果」および「令和5年度子供の学習費調査」より。制度の内容は2026年8月時点のものです。支援の金額や対象は、お住まいの自治体や学校によって異なる場合があります。実際に申し込む前に、必ず学校または自治体の窓口でご確認ください。

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